2006年10月25日

Lupins in Tabula(汝は人狼なりや/タブラの狼)

Filed under: 今日のアナログゲーム — ubume @ 11:08 pm

 9~13人用カードゲームLupins in Tabula(邦題:汝は人狼なりや/タブラの狼,ゲームデザイン:伝統ゲームのため不明)を9~11人でプレイ。

 「汝は人狼なりや」は伝統的な「役割担当ゲーム」の1種で、参加者はゲーム開始時に密かに敵対する2勢力に分かれて、お互い生き残りを懸けて相手勢力の殲滅を目指すという内容。と、このように紹介すると推理ゲームのように聞こえますが、敵対勢力が誰であるかを推論する手掛かりは基本的に「無い」ため、推理ゲームではありません。ではどうやって誰が敵対勢力であるかを判断するかというと・・・いかにも本当「らしい」ことを言って相手を説得するハッタリ力が問われているんですね^^ ルールという制約によって推理する手掛かりが与えられるのが推理ゲームだとしたら、ルールによる制約が極めて薄いこのゲームは推理ゲームというより、パーティーゲームに分類されるのでしょう。

 というわけで、パーティーゲームらしく多人数が集まるとちょくちょく遊ばれるゲームで、ネットでも遊べる CGI が作られるなど知る人ぞ知る人気の高いゲームなのですが、このゲームが面白いのは遊ばれているコミュニティによって“決まりごと”が多種多様に異なるところでしょう。ルールによる制約が極めて薄い、という特徴がこうした“決まりごと”の存在を許しているわけですが、各コミュニティ内で遊ばれていくうちに、そのメンバー内で「より遊びやすく」「より楽しく」感じられるように工夫されていった結果生み出された“決まりごと”は、それぞれがとても洗練されたものでとても興味深いものです。いわば、ある一つのゲームが環境に応じて適応していく様 ―<遊びの進化論>― 的なものがそこに現れていると言ってもいいのかもしれません。

 こういう遊びの環境による進化って、現在日本のボードゲーム界では難しいマーケティングリサーチ ―普段ボードゲームを遊ばない人がどういうゲームを面白いと感じて遊ぶのか、ということを調べる― のに役立つのかもしれないな、なんて思います。『生物の進化が、環境で生き残るために最も適切な方法を採択した結果である』とする進化論になぞらえて言えば、『遊びの進化による“決まりごと”は、その環境で遊ばれ続けるために、最も適切な勝ち方を採択した結果』生まれたものだと思うからです。

 最も適切な勝ち方というのは、この場合遊んでいるメンバー全員が最も納得できる勝ち方ということを意味していて、それはすなわち、「勝つためのテクニック」としてどういうものが受け入れられやすいか、ということを意味しています。それが遊ぶメンバーによって異なるから多種多様な“決まりごと”が生まれているわけですが、その決まりごとの要素の組み合わせには特徴があって、そこを勝手に分析するのはなかなかに楽しいものです。

 僕は今回、普段はネットの CGI で遊んでいるメンバーと OFF で遊んだわけですが、なるほど、ネットでは(CGI 機能の兼ね合いもあって)こんな“決まりごと”で遊んでいるのか~と、楽しく遊ばせて頂きました♪ハムスター人間も超久々に担当して楽しかったです^^ ちなみに、今回のメンバーが僕が知る限りで最もゲーマー的な遊び方、すなわち最も論理的に敵対勢力を絞り込もうとする遊び方をしているなぁ、と感じました。一方で、普通のゲームでは論理的に思考を積み重ねていく傾向があるいわゆる「ゲーマー」は、このゲームを遊ぶ時には論理性を放棄しがちで、ある種の馬鹿会話を楽しむ遊び方をする気がします。

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